ぴあMOOK「東京老舗名店」の仕事で、台東区根岸の 笹乃雪 に入り、コース料理のうち三品──冷奴・あんかけ豆腐・前菜──を一枚に収めて撮影した。
創業元禄四年、豆富一筋で三百年以上。この店が「絹ごし豆富発祥」を掲げているという事実は、撮影する側にとっても非常に重い。料理の派手さや盛り付けではなく、豆腐そのものの質感と味の奥行きをどう写真にするかが、この撮影の主題だった。
冷奴は非常にシンプルな料理だが、撮影としてはかなり難しい。白い料理は立体感が出にくく、光を間違えるとすぐに白飛びしてしまう。経験の少ないフォトグラファーほど、白い料理は柔らかい光で撮ろうとするが、それでは陰影が消えてしまい、結果として質感が出ない。白い料理こそ、ある程度コントラストを作り、微妙な陰影を出さないと表面の滑らかさや水分感は表現できない。
今回の撮影でも、冷奴の表面にわずかな陰影が出るようにライティングを組んでいる。豆腐の角の立ち方、表面の水分、柔らかさ。その質感が見える位置に光を作り、白の中にある情報を拾っていく。白い料理は色で見せるのではなく、陰影で見せる料理だと思っている。
色再現についても同じで、白い料理は環境光の影響を非常に受けやすい。自然光や室内灯で撮影すると、青や黄色にすぐ転んでしまい、豆腐の色が濁る。白い料理ほどストロボで光を作り、色が傾かない環境を作ることが重要になる。
構図としては冷奴を主役に置きつつ、あんかけ豆腐と前菜の表情も見せる必要があった。三品を一枚に収める場合、それぞれを別々にライティングしていると画面がバラバラになる。主役の冷奴の光を基準に、他の料理の見え方を調整していく。複数料理を一枚にまとめる撮影では、この光の統一感が非常に重要になる。
シンプルな料理ほど、撮影は難しい。焼き色や照りで見せる料理と違い、豆腐は質感と空気感しか表現する要素がないからだ。だからこそ、光の設計と色のコントロールがそのまま写真の完成度になる。料理撮影は料理を撮っているようで、実際には光と質感を撮っている仕事だと、こういう撮影のたびに強く感じる。
料理撮影の依頼については、 「料理撮影の依頼完全ガイド」でまとめています。
ラ・クレアシオン
住所:埼玉県草加市新栄1-13-5
サニーヒルズ103
NEW
-
05.Oct.2026
-
奥久慈しゃもの質感を...大洗の温泉旅館・鷗松亭様にて、公式Webサイト用のメニュー撮...05.Oct.2026
-
タレカツ丼の料理撮影...全国にチェーン展開されているカレーだしっ!様にて、デリバ...03.Oct.2026
-
フランス料理の撮影|...佐原のオーベルジュ・ド・マノワール吉庭様にて、秋の新メニ...30.Sep.2026
-
弁当の料理撮影|主菜...平塚のS.S.CENTURY様にて、テイクアウトメニューの撮影を行い...27.Sep.2026
-
ラムしゃぶの料理撮影...六本木のラムしゃぶ金の目様にて、公式WEBサイトおよびグルメ...22.Sep.2026
-
小籠包の料理撮影|高...赤坂の神戸牛511様にて、メニュー撮影を行いました。 今回撮...21.Sep.2026
-
唐揚げの料理撮影|ネ...人形町のくらのあかり様にて、メニュー撮影を行いました。 今...20.Sep.2026