「屋台の概念をくつが...
千葉・佐原のオーベルジュ〈マノワール 吉庭〉が、先ごろ行わ...
08.Nov.2025
ぴあ発行の『東京老舗名店』の取材で、湯島の鳥つねにて上親子丼を撮影した。
この一椀は、卵が主役ではない。鶏が主役でもない。終始一貫、出汁で喰わせる親子丼である。
鼻先にまず上がるのは旨味の蒸気ではなく、液体そのものの説得力。初手の一口で舌の根元に落ちてゆくのは、塩分でも甘みでもなく、出汁の輪郭。骨格がはっきりしているからこそ、卵のやわらかさも、米粒のまとまりも、すべてが一つに「決着」してくる。甘さに寄らず、香りに寄らず、軽いのに逃げない。丼という形式を借りた出汁料理、と呼びたい。
撮影ではその「液相」が最も雄弁であることを見切り、余計な角度を探らず、面で受けたままの一視点に留めた。照明の立ち上げも浅く、つやを強調するのでなく、出汁の重心を画面に通すことに集中した。
〆の米が軽くなる時代にあって、これは真逆。重心を沈めてなお、喉を重くしない。こういう丼が老舗のまま残っていること自体が東京の奇跡である。
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ラ・クレアシオン
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