原宿のHONOLULU COFFEEにてポスター用のイメージ撮影を行い、アサイーボウルを撮影した。
今回の撮影で求められていたのは「朝の爽やかなイメージ」だった。以前に別のカメラマンが撮影した写真も朝に撮影されたものだったが、朝らしい雰囲気がまったく出ていなかったという。理由は単純で、窓辺の自然光で撮影していたが、その店舗は朝日が直接差し込む構造ではなかった。つまり、朝に撮影していても、光が朝の光になっていなかったのである。時間帯ではなく、光の質が写真の印象を決めるという典型的な例だと思う。
そこで今回は、朝のハワイの光をイメージしてライティングを組み、自然光ではなくストロボで朝の光を再現して撮影を行った。光の方向を低めに設定し、やや横から光を入れることで、フルーツの立体感と影の柔らかさを作る。自然光に頼るのではなく、自然光を作るという考え方である。撮影結果は一度のテストで方向性が決まり、そのまま本番カットへ進むことができ、クライアントにも非常に喜んでもらえた。
色の再現については、朝のイメージを出すために色温度をやや高めに設定し、全体を少しだけ爽やかな色味に寄せている。アサイーの紫、バナナの黄色、イチゴの赤、グラノーラの茶色と、アサイーボウルは色数が多い料理なので、色温度を少し変えるだけで全体の印象が大きく変わる。料理撮影では、明るさよりも色温度の設定の方が写真の雰囲気に与える影響は大きいことが多い。
料理撮影では「自然光で撮るのが良い」と思われがちだが、実際の現場では自然光だけではイメージ通りの写真にならないことの方が多い。大切なのは自然光かストロボかではなく、求められているイメージの光を作れるかどうかである。朝のイメージ、昼のイメージ、夕方のイメージ、南国の光、和食店の落ち着いた光、それぞれ光の作り方はまったく違う。
店舗のポスターや広告写真の場合、料理そのものを記録する写真ではなく、「イメージを作る写真」になる。そのため、料理を綺麗に写す技術だけではなく、光を設計する技術が必要になる。料理撮影の技術差は、カメラやレンズではなく、ライティング設計と色のコントロールで決まる部分が非常に大きい。
同じアサイーボウルでも、光の作り方が変われば写真はまったく別のものになる。料理撮影とは料理を撮る仕事というよりも、光を作る仕事に近いのかもしれない。だからこそ、料理撮影ではライティングの技術が最も重要になる。
料理撮影の依頼については、 「料理撮影の依頼完全ガイド」でまとめています。
ラ・クレアシオン
住所:埼玉県草加市新栄1-13-5
サニーヒルズ103
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