月下の余白に咲く味 —— 六本木「月灯花」にて

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六本木の喧騒を一歩離れ、静けさが支配する路地に「月灯花」はひっそりと佇む。名の通り、月の光が淡く花を照らすような、奥ゆかしい和の美学が息づく料理屋だ。  


このたび、私は同店でコース料理の撮影を行った。繊細な料理の一つひとつが、まるで皿上の詩。シャッターを切るごとに、料理人の呼吸と精神がにじみ出る。  


供されたのは、鮪、鯛、鰤などの造りに始まり、塩焼きの鮎が清流の記憶をたたえて登場する。続いて、白和え、湯引きされ炙られた鱧、柔らかなステーキと、山と海の幸が品格をもって連なる。終盤の土鍋ご飯には、蟹、いくら、雲丹が惜しげもなく盛られ、ふたを開けるその瞬間、湯気の向こうに祝祭の気配が立ちのぼった。  


撮影者として、私はその瞬間の美をどこまで写し取れるかに挑んだ。器の陰影、食材の輝き、光の反射。いずれも一過性のものだが、レンズにおさめた時間は確かに永い。  


「月灯花」は、ただ食を供する場ではない。静かな情熱と、凛とした所作が生み出す、現代の懐石のかたちである。六本木にありながら、一夜の心を洗う場所として、訪れる価値があると確信している。



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ラ・クレアシオン

住所:埼玉県草加市新栄

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