恵比寿の薬膳キッチンやくぜんや様にて、Uber用のメニュー撮影を行いました。被写体は麻辣火鍋。今回のご相談は「掲載はされているが、写真で選ばれている実感がない」というものです。
原因は明確で、撮影の自由度がほぼ無いことにあります。デリバリー撮影は、中間業者が用意した撮影フローに強く縛られており、角度・光・進行手順まで固定化されています。現場のカメラマン個人の技術ではどうにもならない領域です。結果として、どの店舗も似たような写真になり、一覧で並んだときに差が出ません。
象徴的なのが角度です。45度固定のフローでは、鍋の深さや具材の重なりが弱くなり、立体感が出ません。低くすればいいという単純な話ではなく、「そう撮ってはいけない」ルールになっているため変更が効かない構造です。今回は制約を外し、38.5度に設定。スープの奥行きと具材の高さが自然に伝わる見え方に調整しています。この時点で、一覧での印象は大きく変わります。
光も同様です。自然光前提のフローでは、時間帯や天候に依存し、色が安定しません。特に麻辣火鍋のような赤い料理は、濁りやすく、油の艶も出にくい。ストロボを使わない前提になっているため、ここも個人技ではカバーできません。今回はストロボを使い、アンブレラ+デフューザーで光質を整えています。強く当てて光らせるのではなく、スープの赤と油の艶が最もきれいに出るポイントにだけハイライトを設計しています。
また、具材が多い料理は情報過多になりやすく、均一に見せると逆に伝わりません。スープの色、油の艶、具材の立体。この3点に視線が集まるように、配置と明暗のバランスを整理しています。全てを見せるのではなく、優先順位をつけることで「選ばれる写真」に変わります。
撮影では、薬膳のとしての見せ方、具材の見え方を確認しながら微調整を重ねています。こうした工程自体がフロー化された撮影では省略されがちですが、最終的なクリック率に直結する部分です。
デリバリーの写真は、ルール通りに撮るだけでは差が出ません。制約の中で均一化された写真と、設計して作った写真では、並んだ瞬間に結果が変わります。今回の麻辣火鍋も、その違いを前提に組み立てています。写真で選ばれたい場合、この部分をどう扱うかが分岐点になります。
料理撮影の依頼については、 「料理撮影の依頼完全ガイド」でまとめています。
ラ・クレアシオン
住所:埼玉県草加市新栄1-13-5
サニーヒルズ103
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