「屋台の概念をくつが...
千葉・佐原のオーベルジュ〈マノワール 吉庭〉が、先ごろ行わ...
08.Nov.2025
六本木・月灯花での撮影は、静かな高揚を伴うひとときだった。今回カメラを向けたのは、ウニとカニ、そしてイクラが惜しみなく盛られた土鍋ご飯。火の通った香りが土鍋の蓋の向こうから立ち上がり、開けた瞬間、湯気とともに贅沢が立ち昇る。
主役は、やはりイクラだ。
照明を落とし気味に、シズル感を際立たせたショットを狙う。スプーンでそっとすくえば、弾けんばかりの粒が艶やかに光る。赤橙のひと粒ひと粒に、海の記憶が詰まっているかのようだった。レンズ越しに見ても、味が伝わってきそうな勢いだ。
この土鍋ご飯、単なる贅沢素材の共演ではない。炊きあがりのご飯にウニの甘みとカニの旨味が染み渡り、そこにイクラの塩味が寄り添う。三味一体、いや、三位一体の妙味とでも言うべきか。
料理の撮影とは、つまるところ「温度」の記録でもある。手を入れた瞬間の湯気の逃げ方、照りの出方、素材の緊張感。どれも一瞬で失われるものだ。今回はその刹那を、特にイクラの光沢に焦点を当てて写しとった。土鍋のぬくもりと、粒のひと粒に宿る物語を、ぜひ現場で味わってほしい。
月灯花には、そんな記憶に残るご飯がある。撮る者として、食べる者として、その一瞬に立ち会える幸せを噛みしめた。
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ラ・クレアシオン
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