佐原のオーベルジュ・ド・マノワール吉庭様にて、メニュー撮影を行いました。今回のカットは、春限定の苺スパークリングワインです。
使用されている苺は千葉県成東産。香りが強く、酸味と甘みのバランスが良い品種を急速冷凍し、削ってグラスの下層に沈めています。その上に丸ごとの苺を重ねることで、グラスからあふれるようなボリューム感が生まれています。この「量感」と「透明感」を同時に成立させることが、今回の撮影設計の軸になります。
グラス系の撮影では、どこに光を通すかで印象が決まります。今回は透過光をベースに、液体の奥行きと泡の立ち上がりを可視化しています。正面からの光ではなく、背面からコントロールされた光を当てることで、スパークリング特有の細かい気泡が浮かび上がり、単なる飲み物の記録ではなく「飲みたくなる状態」に引き上げています。
一方で、苺の存在感を潰さないことも重要です。光を強く通しすぎると、果実の赤が抜けてしまい、ただのシルエットになります。そこで、透過光の強度を抑えつつ、側面からわずかに補助光を入れ、果肉の色と質感を残しています。このバランスによって、液体の中で果汁が溶け出していく色のグラデーションも自然に表現できます。
さらに、グラス表面に付着した水滴も重要な要素です。適度な結露をコントロールすることで、冷たさを視覚的に伝えています。ただし、水滴は光を乱反射させるため、入れすぎると全体が白く濁ります。あくまで輪郭を崩さない範囲で配置し、質感の一部として扱っています。
近年はサイド光だけで仕上げるケースも多いですが、グラスドリンクの場合は透過光を前提に設計しないと、泡や液体の情報が十分に出ません。料理やドリンクごとに光の設計を変えることで、写真の説得力は大きく変わります。
メニュー撮影において「シズル感が弱い」「ドリンクが平面的に見える」といった課題がある場合、ライティングの方向性そのものが合っていない可能性があります。被写体に合わせて光を設計し直すことで、視覚的な訴求力は確実に上がります。具体的なメニュー内容に応じた撮影提案も可能ですので、お気軽にご相談ください。
料理撮影の依頼については、 「料理撮影の依頼完全ガイド」でまとめています。
ラ・クレアシオン
住所:埼玉県草加市新栄1-13-5
サニーヒルズ103
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