フィレステーキを黒で潰さない撮影設計|トーンを分離して主役を立てるライティング

query_builder 2025/05/30
料理撮影の専門知識
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佐原のオーベルジュ・ド・マノワール吉庭様にてメニュー撮影を行いました。コースのメインを飾るフィレステーキのカットです。厚みのある断面と、火入れで引き出された赤のニュアンスをどう見せ切るかが、この一皿のポイントになります。


フレンチでは、黒い皿に濃色のソース、焼き色、トリュフといった要素が重なることが多く、全体のトーンが揃っています。この状態をそのまま写真にすると、要素同士が同化して情報が落ちます。見た目の統一感はそのままに、写真としては分離させる。この整理が必要です。


今回は皿に光沢があったため、その特性を前提にライティングを組んでいます。後方からコントロールした光で皿の一部にハイライトを作り、あえて半分ほど情報を軽くすることで、画面の重さを抜いています。結果として、フィレ肉の断面と、上にかかるトリュフの質感が自然に前へ出てきます。


重要なのは、ハイライトの置きどころです。どこを光らせ、どこを沈めるかで、同じ黒でも読みやすさが変わります。全体を均一に持ち上げるのではなく、エッジや質感が伝わる部分だけに光を乗せることで、黒としての印象を保ったまま情報を残しています。 


また、肉の断面については、赤みを強調しすぎると不自然になり、抑えすぎると魅力が消えます。焼き面のコントラストと断面の色のバランスを見ながら、視線が自然に中心へ集まるようにトーンを調整しています。


メニュー撮影で「黒が潰れる」「主役が埋もれる」といった課題は、露出ではなく設計の問題であることが多いです。料理のトーン構成を読み取り、光と構図で再整理することで、写真の説得力は大きく変わります。料理内容に合わせた撮影設計をご提案できますので、具体的なご相談もお待ちしています。



料理撮影の依頼については、 「料理撮影の依頼完全ガイド」でまとめています。


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