Photoshopで極めるフードフォトのレタッチテクニック
── 色被り・白飛び・黒つぶれを順番に直す方法 ──
自然光で撮った料理写真が
・青っぽい
・黄色っぽい
・白く飛んでいる
・黒く潰れている
そんな状態になったことはありませんか?
料理撮影 失敗例のほとんどは、 順番を間違えて補正していることが原因です。 今回は、Photoshop(Camera Rawフィルター)で 料理写真を救う具体的な手順を、スライダー名まで明確に解説します。
まず大前提:触る順番はこの通り
1 色を直す
2 白飛びを抑える
3 黒つぶれを戻す
4 食材ごとの明るさを整える
5 料理だけを少し明るくする
この順番を守るだけで、 仕上がりは大きく変わります。
STEP1 色被りを直す
操作場所
フィルター → Camera Rawフィルター → 「基本補正」
触るのはこの2つだけです。
・色温度
・色かぶり補正
直し方
写真が青い → 色温度を右へ
写真が黄色い → 色温度を左へ
そのあと、色かぶり補正を少し動かします。
ここでの基準は 白い皿ではありません。 肉や野菜が自然に見えるかどうか。 料理撮影では 食材の色が正解基準です。
STEP2 白飛びをできるだけ救う
皿の縁やソースが白く飛んでいる場合。
操作場所
基本補正パネル
・ハイライト
・白レベル
直し方 ハイライトを −40〜−80 白レベルを少し下げる
ここで絶対にやらないこと。
コントラストを先に上げない。 白飛びはさらに強くなります。 完全に真っ白な部分は戻りません。 しかし周囲の階調はかなり戻せます。
STEP3 黒つぶれを戻す
唐揚げやステーキが黒く見える場合。
操作場所
基本補正パネル
・シャドウ
・黒レベル
直し方
シャドウを +20〜+60
黒レベルを少し下げる
影を全部消してはいけません。
料理撮影では 影=立体感です。 影を残しつつ、潰れだけ救う。 この感覚が重要です。
STEP4 食材ごとの“明るさ”を整える
ここが一番大事です。 彩度ではなく、 色ごとの明るさを整えます。
操作場所
Camera Raw → カラー → ミキサー
→ 各色の「輝度」 触るのは主に:
・赤
・オレンジ
・緑
例
肉が重い → 赤とオレンジの「輝度」を +5〜+15
レタスが暗い → 緑の「輝度」を少し上げる
トマトが濃すぎる → 彩度を上げるのではなく「輝度」を上げる
料理写真は 色を濃くすると不自然になります。 光が当たったように見せることが大事。 そのために「輝度」を使います。
STEP5 料理だけ少し明るくする
最後に行うのがこれです。
操作場所 Camera Raw → マスク → ブラシ
料理の中心部分だけをなぞります。
露光量 +0.2〜+0.4
全体を明るくするのではなく、 料理だけを少し持ち上げる。 これで視線が集まります。 メニュー撮影や撮影依頼の現場でも、 この考え方は共通です。
それでも救えない写真
正直に言います。
以下は完全には戻りません。
・完全な白飛び
・強い混在光(青と黄色が混ざる)
・光が当たっていない料理
自然光だけの料理撮影では どうしても限界があります。 レタッチは救済です。 代替ではありません。
結論
料理写真は、
① 色温度
② ハイライト
③ シャドウ
④ 色ごとの「輝度」
⑤ 部分露光
この順番で直せば、かなり改善できます。
しかし安定した品質が必要なら、 撮影段階で光を設計する必要があります。 メニュー撮影や継続的な撮影依頼では、 再現性が求められます。 料理撮影は専門職です。 Photoshopで救える範囲を理解すると、 なぜ光設計が重要なのかが分かるはずです。
料理撮影の依頼については、 「料理撮影の依頼完全ガイド」でまとめています。