料理写真が美味しそうに見えない理由
飲食店が見落としがちなポイントとは
なぜ同じ料理でも美味しそうに見えないのか
飲食店の料理写真を見ていて、 「実際は美味しいのに、写真だと美味しそうに見えない」 と感じることは少なくありません。 これは料理の問題ではなく、見せ方の問題です。
実際の現場でも、同じ料理でも撮り方次第で
・美味しそうに見える写真
・全く魅力が伝わらない写真
に分かれます。
では、なぜその差が生まれるのでしょうか。
実際の現場で起きていること
以前、銀座の La VASARA CAFE & GRILL 様から撮影のご依頼をいただきました。 それまでは社内の広報担当の方が、SNSやメニュー用の写真を撮影していたそうです。
撮影当日、その方が勉強のために立ち会われました。
「何でも聞いてください」とお伝えしたものの、
・レンズは何を使っているのか
・絞りはいくつなのか
といった表面的な質問に終始していました。
途中で 「ストロボって前から当てるものだと思っていました」 という言葉もありました。
これは珍しい話ではありません。 料理写真は、一般的にイメージされている撮影とは全く別物です。
結果として、その方がこれまで撮っていた写真は、 このあと説明する「よくある失敗」をほぼすべて含んでいる状態でした。
理由① 光の設計ができていない
料理写真で最も重要なのは「光」です。
よくあるのが、自然光に頼った撮影です。 窓辺に料理を置いて、そのまま撮影するだけ。
一見きれいに見えますが、実際には
・ハイライトが入らず全体が眠い
・立体感が出ない
・艶が出ない
といった状態になります。
料理は立体物です。 光を設計しなければ、のっぺりとした印象になり、 一気に美味しそうに見えなくなります。
理由② 色が正しく再現されていない
料理写真では「色」が非常に重要です。
例えば
・室内灯が混ざり色が濁っている
・北向きの光で青みがかっている
・ソースの艶が出ていない
といった状態です。
よく見かけるのは
・全体が黄色っぽい、または青っぽい
・くすんでいる
・白がグレーになっている
という写真です。
これは照明やホワイトバランスの問題ですが、 ここが崩れると一気に「美味しくなさそう」になります。 こうした状態に気づかないまま、写真が使われ続けているケースも少なくありません。
理由③ 構図が弱い
料理の見せ方にも明確な技術があります。
例えば
・不要なものが写り込んでいる
・窓枠など背景が主張している
・写真がわずかに傾いている
といった状態です。
このような写真は 主役が分からない何を見せたいのか伝わらない見ていて違和感があるという印象になります。 結果として、お客様に選ばれない写真になります。
理由④ 盛り付けと写真が噛み合っていない
料理としては良くても、写真として成立していないケースもあります。
例えば
・正面がずれている
・極端なアップになっている
・不自然な余白があるといった状態です。
現場では 「料理として正しい」と「写真として良い」は必ずしも一致しません。 このズレを調整することも、撮影の重要な役割です。
理由⑤ 写真に統一感がない
グルメサイトやSNSでは、写真は一覧で表示されます。
そのときに
・明るさがバラバラ
・色味がバラバラ
・雰囲気が統一されていない
・画角によって歪みが出ている
と、お店全体の印象は弱くなります。 これは一枚一枚の問題ではなく、 写真全体の設計ができていない状態です。
美味しそうに見える写真は「設計されている」
料理写真は、ただ撮るだけでは成立しません。
・光
・色
・構図
・世界観
これらをすべて設計することで、 初めて「美味しそうに見える写真」になります。
実際に撮影を見直したことで 注文数が増えた集客が変わったというケースは多くあります。 料理の魅力を正しく伝えるためにも、 写真のクオリティは非常に重要です。
料理撮影の依頼については、 「料理撮影の依頼完全ガイド」でまとめています。