料理撮影を依頼する前に知るべきこと|失敗しない基準

query_builder 2025/03/05 成功する料理撮影
画像9534

著者プロフィール

ロゴ

平野慎一(ひらの しんいち)

フードフォトグラファー

ラ・クレアシオン(La Creación)代表


料理撮影・メニュー撮影を専門に、飲食店の現場で撮影を行っているフードフォトグラファー。 1993年より料理撮影専門の広告写真スタジオに所属し、2003年に独立。 以降、首都圏を中心に多数の飲食店で実務ベースの料理撮影を手がけている。 料理を「作品」ではなく、メニューとして選ばれ、注文されるための商品として捉え、 撮影からRAW現像・仕上げまでを一貫して担当。 メニュー、グルメサイト、販促用途など、写真が使われる場面を前提に設計する撮影を重視している。 食べログ・ぐるなびなどのグルメサイト用写真に課題を感じたオーナーからの撮影依頼も多く、 料理の美味しさや質感を正しく伝え、集客や注文につながる写真制作を得意としている。

ラ・クレアシオン
住所:

〒340-0056

埼玉県草加市新栄1-13-5 サニーヒルズ103

料理撮影は単なる写真撮影ではない

ブログ

飲食店がカメラマンへ料理撮影を依頼する場合、最初に理解しておくべきことがあります。 それは、料理撮影は単なる写真撮影ではなく、売上に直結する専門技術だということです。

メニュー撮影、グルメサイト、SNS、Uber Eats など、料理写真が使われる場所は多くありますが、どこに使う写真なのかによって撮影方法は変わります。ここを決めずに撮影依頼をしてしまうと、写真はあるけれど使いにくい、という状況が起きます。 料理撮影の失敗例の多くは、撮影前の設計不足から起こります。

料理撮影は「撮る作業」ではなく、「用途に合わせて設計する仕事」です。

料理撮影の依頼から納品までの流れ

ブログ

料理撮影を依頼する流れは、基本的に次のようになります。

問い合わせ → 見積 → 打ち合わせ → 撮影 → 納品

特に重要なのは、見積と打ち合わせの段階です。 ここで撮影内容、点数、使用用途、必要な写真の種類を決めていきます。この段階が曖昧なまま撮影に入ると、写真はあるのに使えないということが起きます。

料理撮影は撮影当日よりも、事前準備の方が重要と言ってもいいくらいです。

料理撮影の料金相場と見積の考え方

ブログ

見積についてよく聞かれるのが相場ですが、一般的な料理撮影の相場は2時間で30,000円〜50,000円程度が多いと思います。

ただし、ここで注意しなければいけないのは、撮影料金の他に

・レタッチ料金

・機材費

・出張費

・アシスタント費

などが別途かかる場合があるということです。

撮影依頼をする際は、何が料金に含まれているのかを必ず確認した方が良いです。後から追加料金が増えるケースもあります。

私の場合は、2時間26,000円、レタッチ料金込みで、追加される費用は 交通費(実費)と延長料金(1時間10,000円)のみという形にしています。

見積はできるだけ分かりやすく、透明性がある方が依頼する側も安心できると思います。

撮影前の準備で写真のクオリティは決まる

ブログ

次に重要なのが撮影前の準備です。 ここをしっかり決めている店舗ほど、写真の完成度が高くなります。

まず決めていただきたいのは、その写真をどこで使うのかです。

・メニュー撮影用

・ホームページ

・グルメサイト

・SNS

・Uber Eats などのデリバリー

・広告

・すべての媒体

用途によって、構図、明るさ、背景、トリミングの仕方、写真の向きまで変わります。

「とりあえず撮影して、後で考える」という進め方はあまり良くありません。用途に合わせて撮影を設計するのが料理撮影だからです。

店舗コンセプトによって写真の方向性は変わる

ブログ

撮影依頼の際には、できるだけ次のことを教えていただけると撮影の方向性を設計できます。

・お店のコンセプト

・客層

・客単価

・来てほしいお客様

・ランチ中心かディナー中心か

・居酒屋なのか高級店なのか

これによって、写真のトーン、テイスト、影の強さ、雰囲気を変えます。 料理撮影は料理を撮る仕事ですが、それ以上にお店のイメージを写真で表現する仕事でもあります。

料理撮影はやり直しができないことが多い

ブログ

もう一つ大事なことがあります。 料理撮影はやり直しができない現場が多いということです。 コース料理、季節メニュー、仕込みに時間がかかる料理などは、撮影のためにもう一度作ることが難しい場合があります。つまり、撮影が失敗すると食材費、人件費、時間がすべて無駄になる可能性があります。

経験の少ないカメラマンの料理撮影の失敗例で多いのが次のようなものです。

・自然光で撮影して天気が変わって写真の色がバラバラ

・撮影に手間取りデザートが溶けてしまった

・構図が決まらず料理が冷めてしまった

・質感や照りや艶が表現できていない

・メニューに使いにくい構図

・色が濁っていて美味しそうに見えない

料理撮影の失敗は、そのままコストの損失になります。

料理撮影は光を作れるかどうかで決まる

ブログ

料理撮影は光を作る技術が最も重要になります。 自然光だけに頼る撮影は、天気や時間に左右されるため再現性がありません。

メニュー撮影のように写真を揃える必要がある場合、光をコントロールできないと同じ写真を作れません。ここが料理撮影が専門職と言われる理由の一つです。

料理写真は 広告であり、営業ツールであり、メニューそのものです。 つまり、料理撮影はコストではなく投資です。

撮影料金の安さだけで撮影依頼を決めてしまうと、写真が売上に繋がらず、撮り直しになり、結果的に一番高くつくということも珍しくありません。

料理撮影をカメラマンに依頼する際は 料金だけでなく、撮影の考え方、光の作り方、写真の統一感、用途に合わせた設計ができるか ここを基準に判断するのが良いと思います。

料理撮影は、誰が撮っても同じではありません。 だからこそ、撮影依頼をする前に、この依頼ガイドの内容を一度知っておくことが大切だと思います。



料理撮影の依頼について全体を知りたい方は、 「料理撮影の依頼完全ガイド」をご覧ください。

ラ・クレアシオン
ロゴ

料理撮影に30年以上携わり、数多くの現場で培ってきた経験をもとに、料理人や店舗が大切にしている意図を正確に読み取り、写真として再構築しています。ストロボを用いた精緻なライティングと、レタッチまでを前提とした撮影設計により、料理の質感や立体感、シズル感を安定して表現することを重視しています。「きれい」で終わらせず、料理と店の価値がきちんと伝わる写真を目指しています。

ラ・クレアシオン

〒340-0056

埼玉県草加市新栄1-13-5 サニーヒルズ103