「屋台の概念をくつが...
千葉・佐原のオーベルジュ〈マノワール 吉庭〉が、先ごろ行わ...
08.Nov.2025
初夏の昼下がり、市川の老舗和食店「波奈」にてメニュー撮影のご依頼をいただいた。
今回カメラに収めたのは、鱧の湯引き。関西の夏の風物詩として知られるこの魚が、千葉でこんなにも端正な姿で供されるとは、少々意外だった。
鱧といえば骨切りの妙技がものをいうが、波奈の一皿はその技術の冴えを静かに物語る。ほんのりと白く咲いた身は、まるで絹のよう。氷の上に涼やかに盛られた姿は、まさに「涼を食む」料理そのものだった。
カメラを構えると、細やかな刃の入り方まではっきりと写る。プロの手が入った鱧は、光を受けて控えめに輝き、梅肉の紅を引き立てる背景となる。撮影とは、料理人の丁寧な仕事にもう一度光を当てる営みでもある。
波奈の店内は、和の設えが落ち着いていて、自然光が美しい影を落とす。静けさの中で、カメラのシャッター音だけが響く瞬間が心地よい。
この仕事の醍醐味は、味覚だけでなく視覚、空気感、そして料理を取り巻く物語までも記録できることにある。鱧の白に宿る夏の予感を、写真に封じ込めた。そんな一日だった。
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
料理撮影・メニュー撮影 お受けしています
関東一円に出張撮影いたします
東京・埼玉・千葉・神奈・茨城・栃木・群馬
◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉
ラ・クレアシオン
住所:埼玉県草加市新栄