チャーシューという名の、静かな主張。

query_builder 2025/05/07
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 昼下がり、大門の路地を歩いていた。撮影機材を抱えて向かった先は、「札幌本舗」。札幌ラーメンを冠しながら、ここの“醤油”は格別だと聞いていた。


 今回は、メニュー用の写真撮影という依頼だった。丼に美しく配されたチャーシュー。その重なり、照り、縁のわずかなカールに至るまで、静かだが雄弁だ。レンズ越しに見つめるうち、自然とシャッターを切る手にも力が入る。料理の持つ説得力が、こちらの姿勢を正してくるのだ。


 その一杯を、撮影後に味わわせてもらった。


 スープは、角のとれた醤油の丸みが印象的。鶏の出汁が穏やかに下支えし、脂の香ばしさが立体感を加える。レンゲでひと口、ふた口……静かに体に染み込んでいく。


 中太の縮れ麺は、北海道式らしい風貌を持ち、スープとの相性も申し分ない。もっちりとした歯ごたえの中に、職人の選択が垣間見える。


 チャーシューは実に見事だった。しっとりと柔らかく、ほどける直前の肉の繊維が、口の中でゆっくりと崩れていく。タレの染み具合も的確で、主張しすぎず、だが忘れがたい。


 カウンター越しに、黙々と鍋に向かう店主の背中がある。常連らしき客が静かに麺をすすり、日常が淡々と流れていく。


 料理の撮影を通して見えてくることがある。この一杯は、技巧で唸らせるのではなく、黙して語るタイプだ。だが、そういう一杯こそ、長く人の記憶に残るのかもしれない。




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